家族名義のマンション売却は難しい?注意点や売却方法を解説

高齢化社会を迎え、認知症に悩まされるお年寄りも増えてきました。当然、ご家族が認知症などで判断能力が鈍ってしまった場合、お住まいであるマンションを売却して、一緒に住むか、老人ホームに入所するかなど、選択を迫られるはずです。

さて、こういったケースの場合、お子さんなどがご家族のマンションを売却はできるのでしょうか?注意点と併せて解説します。

不動産売買の大原則

マンションを含めた不動産を売却する場合、大原則があります。それは、売買契約の契約者は、不動産の名義人本人でなければいけないことです。不動産の売買は、高額の取引である上に、専門性が高いため、慎重な取り扱いが必要です。

具体的には、契約者は、次のような契約関連行為を行いますが、契約者本人の署名・押印が前提となっています。

  • 不動産会社に売却を依頼する「媒介契約」の署名・押印
  • 買主と結ぶ売買契約書の署名・押印
  • 所有権移転登記、抵当権抹消登記に関する登記関連書類への署名・押印

もちろん、これらの契約関連行為の際には司法書士や法務局の登記官による本人確認を行うので、事実上、契約者本人が手続きをしないと、不動産は売却できないのです。

家族名義のマンションを売却する方法

原則として、不動産は名義人本人でないと売却できない仕組みになっていると説明しました。しかし、ご家族が認知症などで判断能力がなくなってしまった場合、複雑な契約関連行為を行うのはかなり厳しいでしょう。

このような場合に、ご家族のマンションを売却する方法はないか、考えてみました。
(以降の文章では、「子が親のマンションを売却する」場合を前提に、話を進めます。)

委任状を作成する

複雑な契約関連行為はできないものの、ある程度の読み書きができる状態なら、この方法が使えます。まず、次の5つの書類等を用意しましょう。

  • 名義人の実印
  • 名義人の印鑑証明
  • 名義人の身分証明書
  • 名義人の住民票
  • 委任された子の本人確認書類

これらの書類が容易できたら委任状を作成しましょう。委任状の作成に当たっては、次の点に気を付けてください。

  • 「●●(親の氏名)は○○(子)に、以下記載の物件(対象不動産)の売買契約や売却活動、及び引渡などに関連する行為を、代わりに行うことを委任する」のような文言を盛り込む。
  • 委任される者(=子)と委任する者(=親)の記名・押印が必要である。
  • 委任する者の押印は実印を用いて、必ず実印を用いた印鑑証明を添付しなくてはいけない。
  • 委任する者、委任される者の親子関係を示すため、運転免許証・戸籍謄本などを用意する。

名義変更を行う

先述した通り、不動産の売買は名義人本人が契約を行うのが基本です。そこで、親から子にマンションの名義人を変更するのも手段の一つとして考えられます。しかし、ここで注意してほしいのは税金の問題です。

参考:相続した不動産を売却するとかかる税金とは?生前に何かできないの?

親から子に名義人をマンションの変更した場合、法律では「親から子にマンションをプレゼントした=贈与した」とみなされてしまいます。この場合、贈与税の支払いが生じるので、注意しましょう。

なお、贈与税の税率は基礎控除後の課税価格により決まります。例えば、評価額2,500万円のマンションの名義変更を行った場合、どれだけの贈与税を支払わなくてはいけないのでしょうか?

(例)贈与財産(ここでは親名義のマンション)の価額が2,500万円の場合(暦年贈与、特例税率を使用)

基礎控除後の課税価格 2,500万円-110万円=2,390万円
贈与税額の計算 2,390万円―265万円=810万5,000円

800万以上もの贈与税がかかってしまう計算になります。費用の面からすると、この方法は現実的でないでしょう。

成年後見人制度の申し出を行う

判断能力がいちじるしく衰えてしまった場合には、この方法を取りましょう。成年後見人制度とは、後見人を選定し、名義人に替わって不動産の売却手続きなど、重要な法律行為をできるおうにする制度です。

なお、後見人になれるのは、親族、弁護士・司法書士、社会福祉士に限られていますが、親族=子がなるのが一般的でしょう。また、後見人が名義人の権利を不当に害さないように、選任は慎重に行われます。

申し出から審判の確定を経て、実際に後見人として受理されるまでには、3~4か月程度かかるのが通常の流れです。時間に余裕を持って動くことをおすすめします。なお、成年後見人制度を用いてマンションを売却する場合、具体的には次の流れで物事が進むのを覚えておいてください。

  1. 名義人本人の住所地の家庭裁判所に、成年後見制度開始の審判を申し立てる。
  2. 医師が名義人本人の意思能力・判断能力を評価する。
  3. 後見人が選定され、審判が確定される。
  4. 後見人が不動産会社と媒介契約を結び、マンションの売却活動を開始する。
  5. 後見人が申込受理・売買契約などの手続きを行う。
  6. 買主の個人情報、売買金額、売却した資金の使途などを家庭裁判所に提出し、許可を得る。
  7. 家庭裁判所の許可を経て、引渡手続き(売買代金の精算、所有権移転登記等)を行い、売却が完了する。

必要に応じて専門家のアドバイスを仰ごう

ここまでご覧いただいたように、たとえ家族であっても、他人名義のマンションを売却するのは手続きが煩雑です。もし、ご家族が高齢になり、認知症など、判断能力が鈍る病気になってしまった場合、早めにどう動くかを決めておいた方が、慌てずに済むでしょう。

自分たちだけではわからない、という場合は、司法書士などの専門家のアドバイスを必要に応じて仰ぐのをおすすめします。

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